自由と責任とは

先日、ある方から相談を受けました。

内容は、自分の生活が豊かにならないのは政権が悪い、といった類のもの。

まずは、「豊かにならない」という問題点にフォーカスし、「世界には食事すら満足に取れない国がいくらでもある」とお話しました。

参考⇒WFPハンガーマップ

我が国、日本は栄養不足人口が5%未満、と飢餓の非常に少ない国としてランクされており、所得に満足でなくとも、飢えには至っていない点をお話しました。

GDPを見て「世界第二位の経済大国」と評される中国や経済成長が注目されるインドににおいては、飢餓率が10%を上回っており、我が国ほど食事が満足にとれている、とは言い難いといえます。現実として、インドに長期滞在された知人の話では、スリや集りは当たり前のように行われており、それは貧困や飢餓がもたらすものだから、仕方のないことなのだ、と断言されています。

政権が悪い、というものについては、過去に政権交代があった、という事実を踏まえ、当時の民主党政権がどういうものだったのかをお話ししました。

民主党政権下では、識者による様々な見解がありますが、労働関係法令を厳しくしたことに加え、デフレ政策を継続し、金融緩和に消極姿勢をとったことから景気刺激が満足に行われず、社会保障財源の確保すら困難となり、労働参加率が下がった点と、それが自民党への政権交代による金融緩和政策で大きく改善され、平均株価や有効求人倍率に反映されている点を説明しました。

参考①⇒https://synodos.jp/economy/2036

参考②⇒https://blogs.yahoo.co.jp/takenaka1221/19910481.html

更問いとして、日本人に統治能力がないという不満も見受けられましたが、それが外国に併合されることにより、解決される問題であるならば、当該国への帰属運動がすでに起こっているはずであることをお話ししました。

現実的に、クリミアでは住民投票の結果により、国際的に承認されていないものの、ロシアによる実効支配が実現されており、シッキム王国はインドへの併合を求める国会決議により、王国が消滅し、インドの州となっています。

Wikipediaシッキム王国

また、我が国の内政に頻繁に介入する国の一つである韓国にいたっては、若年就職率が悪化し、「ヘル朝鮮」と言わんばかりに若年層の不満が鬱積している事情や、極端なエリート主義により強い閉塞感があることもお話ししました。

参考 https://diamond.jp/articles/-/117809?page=3

 

最後には、昭和初期までの飢饉にあったような「からゆきさん」にみられる身売りや、南米などへの移民が盛んに行われた時代に比べれば、食料に困ることはないことはお話ししました。ただ、戦後の食糧難の反動により、終身雇用制度や「寄らば大樹の陰」が前提となる価値観がいまだに改められていない現状と、それを背景にして労働法による規制が緩和されず、労働の流動化がいまだ不十分であることをお話ししました。

これはむしろ、政府や役所、外国勢力が解決してくれるものではなく、国民一人一人が起業家となって市場メカニズムのもとで解決できるのではないのか、と思っています。ある問題にフォーカスすると、そこに潜在的な市場があり、そこからビジネスが発生し、瞬く間に売れ筋商品になる。オーガニックや健康ブームも、健康意識の高まりという市場が発生し、市場メカニズムのもとで食品加工にまつわる問題の突破口が開かれたといっても過言ではありません。

問題となっている働き方の問題も、転職市場が流動化し、起業がしやすくなる社会ができれば、むしろ進む問題ではないかと思います。私は解雇規制はいち早く撤廃し、正社員や公務員は安泰だからしがみつけ、という価値観が一日でも早くなくなることを期待しています。

戦前は今ほど豊かではなかったにせよ、もっと自由があった、と言われています。それは、現在と比較して、自営業の割合が高かったからではないかと思っています。

参考⇒http://www.ipss.go.jp/publication/j/shiryou/no.13/data/shiryou/souron/42.pdf

確かに責任は伴うが、自由もそれに比例して多かった。だからこそ生きやすかった、と言えるのではないでしょうか。

大きな組織に依存せず、個人が自立して自ら学び、行動する。パラダイムがその方向に転換できるよう、我々が行動していければいいな、と思っています。

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